平成23年7月
(社)日本溶接容器工業会
独占禁止法の遵守について
当工業会は、平成22年7月、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)に抵触の疑いがあるとして公正取引委員会の立入検査を受けました。
同委員会による立入検査以降、独占禁止法に抵触の疑いを招くような活動は徹底して排除することを念頭において活動するとともに、工業会に新たに独占禁止法遵守を担当する役員を設けました。また、公正取引委員会及び監督官庁の指導を仰ぎつつ、工業会組織の見直し、会合時の運営及び統計資料作成の際の規程を制定するなど、再発防止策を講じて参りました。
当工業会は、今後、これら規程を充分認識した上にたって会合等の工業会活動を行うこととし、独占禁止法に関するコンプライアンスの向上に努めて参る所存であります。
1.独占禁止法遵守のための体制
- 工業会に独占禁止法の遵守に係る業務を担当する役員を設け、副会長をこれに充てる。
- 独占禁止法に抵触の疑いを招きかねない委員会等は廃止し、組織体制を新たにしました。
2.工業会開催の会合時の運営に関する規程
当工業会は、競合他社による会合の機会が多く、このことは独占禁止法の観点からすれば、同法の規程に抵触する疑義を招くリスクが常に存在することになる。会員及び工業会役職員は、この点について十分認識するとともに、同法を遵守し、疑義を招かないためにも、以下の規定に従い、運営する。
- 会合は、総会、理事会、委員会、懇談会等名称や公式・非公式に拘わらず、工業会及び工業会役職員が係わる全ての会合とする。
- 会合においては、理由の如何を問わず、独占禁止法上禁止されている事項に関連した情報交換・議論等を一切行ってはならない。
- 会合において、議論の方向又は出席会員の発言内容等が(2)に抵触する又はその可能性が高いと思われた会員及び工業会役職員は、直ちに当該議論又は発言等の中止を議長に求めるものとする。
- 議長は、(3)の求めを受けた場合、直ちに当該議論又は発言等の中止を指示する。議長の指示にも拘わらず、中止しない場合は、議長はその時点で当該会合を終了しなければならない。
- 議事録作成者は、(4)により会合が中止となった時には、中止の理由を議事録に記録した上で、独占禁止法遵守担当役員に報告しなければならない。
- 会合の開催に先立って、当該会合の議長及び工業会事務局は、会合に配布する資料の内容を独占禁止法遵守の観点から事前に確認する。
- 会合においては、原則として、会員企業における価格決定権を有する者の参加を認めないものとする。何らかの理由により価格決定権を有する者が出席せざるを得ない場合には、会員企業の法務担当者の随行、工業会の独占禁止法遵守担当役員を同席させる等所要の措置を講ずるものとする。
- 会合においては、工業会役職員が最低1名は必ず出席するものとする。
3.工業会における統計の作成及び管理に関する規程
統計の作成は工業会の役割の一つであるものの、統計作成のために会員企業から収集する個社情報及び当該個社情報を基に作成する統計の内容によっては、他の会員企業に提供することが独占禁止法に抵触の疑義を招くおそれがある。
この点、公正取引委員会による事業者団体のガイドラインにおいても「事業者団体の情報活動を通じて、競争関係にある事業者間において、現在又は将来の事業活動に係る価格等重要な競争手段の具体的内容に関して、相互間での予測を可能にするような効果を生ぜしめる場合には独占禁止法上の疑義を招くおそれがある。」としている。
このため、工業会における統計の作成及び管理は、以下の規定に従って行うものとする。
- 個社情報の収集は、工業会事務局(以下、単に「事務局」という。)が行うこととし、会員相互間では行わない。
- 事務局は、収集した情報を機密情報として扱い、他の会員企業には一切開示しない。
- 事務局は、統計を作成するときは、会員企業を特定することが困難となる程度に集合化しなければならない。
- 事務局は、(3)に該当する統計のみ会員企業に提供し、又は一般に公表できるものとする。
- 上記(1)により収集した情報の管理責任者は専務理事とする。専務理事は当該情報を厳重な管理の下に置かなければならない。